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まぶしすぎるきみのえがおに あいをちかうよ えいえんに

石川透と駆け抜けた夏


 ボイス110緊急指令室、3か月間お疲れ様でした!

 私にとってレスキュー以来の増田さんのレギュラードラマで*1、昨年のゼロのゲスト出演依頼の演技仕事でしたね。
 番宣隊長として各種番組に出てくれて、たくさんニコニコしてるとことかごはん食べてるところとかビール飲んでるところを見せてくれました。(増田さん、ビール飲む姿がかわいいからCM出て欲しいです。)
 体はどんどん絞られていって、頬もどんどんシュッとしていって…。今、とても、ほっぺがある増田さんに会いたいです…。シュッとしてる増田さん、世界一カッコイイのでこれ以上直視できません…。
 そして何より、石川透という大役を任せられ、演じきったこと。素晴らしかったです。間違いなく、増田さんの代表作となった気がします。
 今まで増田さんが出てきたドラマって、いまいちハネないものが多くて、話題になりきらず終わっていく…というものが多かったように思うのですが、今回のボイスは、かなり良かったのではないでしょうか。視聴率も平均2桁だったようで、上々だったのでは?
 

 シリアスなドラマの中の癒し、という役どころで石川透はスタートしましたが、今から思うとスタート当初から何かが違ったなという印象です。例にあげるとこちら。
○昨年のゼロのゲスト出演、カズヤを見ていただいて役が決まった。→カズヤは「まっすー」のパブリックイメージから離れた、性格悪めのクレバーな役。『癒し』とは離れているのでは?
○やけに配役に期待をされてる感じだった?→ただのかわいい後輩役ではこうならないのでは?
○原作ドラマを見ないで欲しいと言っていた。→「ラストが違うから」と言っていたけど、原作を見てしまうと大きなネタバレとなる出来事がある?*2
少年倶楽部出演時に、「アイドルまっすー」への切り替えが大変だった→過去にも、舞台『ストレンジフルーツ』*3の期間に、テゴマス歌収録の際に気持ちが切り替えられず苦労したことがあった。「アイドルまっすー」とかけ離れた精神状態が必要だったのでは?
○なんだかやけにハイテンションだった→番宣でのバラエティ出演時*4とか、KちゃんNEWSでのトークとか、普段より喋りのテンションがやけに高かった気がする。気持ちを「アイドルまっすー」に持っていくために、かなり振り切らなければいけなかった?
 などなど。後付けで「今思えば…」というものもありますが、個人的に引っかかっていた点です。
 終わってみると、プライベートから「増田貴久」を排除しないとやっていられなかった、というインタビューも出ているので、やっぱりあながち間違ってはないかなと思います。
 最終回までの台本が1話の時点でいただけていたというので、増田さんは石川透の行く末を知っていたわけですね。後ろ暗くて悲しい設定を背負っているのをわかっていながら、雰囲気を明るくするかわいい後輩を演じていたのですね。
 増田さんは『ストレンジフルーツ』の千葉くんを演じるまで、ほぼパブリックイメージ通りのキャラクターを演じることが多かったです。だからこそ、そこから離れた千葉くんを演じた時は、私生活でも性格が悪くなったと周囲に言われるほど、役に染まっているのが表に出たんですね。本当はそれまでも、普段の自分が役に染まりやすい人だったのかもしれませんが、表に出にくかっただけだったのかも。*5
 きっと、相当自分を追い込んで、若手でバリバリの刑事として心を作って、体を作って、自分を殺して石川透として生きて。辛くて苦しくて、経験値を大幅に積めた夏だったのではないでしょうか。

 


さて、ここからは、石川透について思いを書きます。Huluオリジナルストーリー『CALL BACK』の内容に触れますので、まだ見られていない方はご注意ください。


 制作陣が続編への期待を隠そうともしていなくて、石川透にフォーカスを当てた番外編を作ってもらえて、これは良いぞ!良い流れだ!と思いながら『CALL BACK』を視聴したのですが、見終わってから泣きました。
 あの終わり方では、石川透は続編への出演は絶望的だったから…。
 石川透巡査部長は、ただの石川透になってしまいました。
 確かに、凶悪殺人犯へ手を貸していたこと、重要な証拠の隠蔽や改ざんをしたこと、自分と親の殺人(これ、たぶんハメられたんだろうけど*6 )を隠していたこと、いくら脅されていたとはいえ、これらのことをしてしまっていたことが明るみに出てしまって、とても警察官が続けられるとは思えません。
 しかも、それは尊敬する兄貴への裏切りだったし…。
 もう兄貴と一緒には働けない。そう言って、透は警察を辞めてしまいました。兄貴にも会わないうちに…。
 お父さんの病気は良くなっていないだろうし、たぶんあの個室の病室は本郷(もしくは渉)からの補助で入っていただろうし、これから、罪の意識と向き合いながら、透はどうやって生きていくのでしょう。
 原作の透に当たる役は、意識が戻ったかどうかもわからずそのままフェードアウトして、2クール目は出演していなかったようです。
 意識が戻ったことがわかり、1か月後無事に生きていることがわかり、罪の意識に苛まれていることがわかり、警察を辞めてしまったことがわかり…。原作と違って『それから』がわかってしまったことは、幸せだったかもしれないし、不幸せかもしれません。
 透は、生きていくんだろうなと思わされるラストでした。苦しんで、苦しんで、それでも生きていくんだろうなと…。
 反響の多いドラマでしたし、先述の通り制作陣が続編をやる気満々わけですし、もしかしたらそう遠くない未来に続編がやってくれるかも。
 その時、石川透はどうやって生きているでしょうか。
 きっと、あれだけ人気を持ったキャラクターである石川透を、なんらかの形で出してくれる…とは思います。そう期待しています。どんな形で出られるのか、それは私には、今のところ見当もつきません…。警察官の石川透から、見ていないので。
 でも、どうかまた姿が見られるときに、幸せに笑っていて欲しい。そう思います。


 石川透は、優しい男でした。大切は人を失った兄貴に寄り添い、心を砕いていた。
 石川透は、まっすぐな男でした。真面目で、正義感が強くて、被害者に寄り添えた。
 石川透は、強い男でした。警察官としての職務を全うする、体も、心も強い男でした。

 石川透は、酷い男でした。大切な人を失った兄貴を裏切ることになってしまいました。
 石川透は、曲がった男でした。家族を守るために、あるべき信念を曲げてしまいました。
 石川透は、弱い男でした。誰にも言えず、自分の心を殺し続けてしまいました。

 石川透は、美しく、悲しい男でした。

 透の心は、あまりに綺麗すぎたのかもしれません。人を愛して、大切な人を想って、自分を殺して。最初はお父さんを守るため、だんだん、兄貴や周りの人に余計な危害を加えられないため。*7

 結局、透は全てを失ってしまいました。
 これから、どうやって生きていくのかな。苦しんで、悲しんで、それでも、笑って生きてくれるかな。
 3か月駆け抜けた透のことしか私は知らないけど、どうか、幸せになって欲しい。生きて欲しい。そう、心から思います。
 石川透巡査部長、お疲れ様でした。あなたは間違いなく、良い警察官でした。


 改めて、増田貴久さん、クランクインから約4か月、本当にお疲れ様でした。苦しくて、切なくて、でもみんなに愛される役を演じられたと思います。素晴らしい演技でした。いろんな方が石川透を、増田さんの演技を褒めていられて、とても嬉しかったです。
 また、増田さんの演技が見られる日を、楽しみにしています。

 

*1:レジデントは超絶多忙期と録画機器なし期が重なりリアルタイム視聴できてません。後からレンタルで見ました

*2:結果、原作と設定がほぼ同じなので、協力者であることがバレてしまう。

*3:クールな役どころ、シリアスでハードな内容

*4:特におしゃれイズム出演のトークのとき

*5:今思ってみると真中先生を演じていたあたりとかなんだか雰囲気がぽわぽわしていた気がする

*6:お父さんの事故現場、あらかじめ人が倒れていたように見える→死体が用意されていた? ちょうど渉が来るのもドンと押した人が死ぬのも不自然

*7:沖原さんへの脅迫電話、その後の現場到着の表情から、「雫や渉に近付くと危ないから、今のうちに手を引いてくれ」という気持ちがあったのでは?と思っています。